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2026/1/29
法改正
「14日以上の連続勤務」が法律で禁止へ / 労働基準法「40年ぶりの大改正」で変わる現場のルール2
前回に引き続き、「労働基準関係法制研究会報告書(以下、「報告書」)」から考えられる改正のポイントを解説していきますね。
第2回は、【2】「14日以上の連続勤務」が法律で禁止へ について
【2】「14日以上の連続勤務」が法律で禁止
「報告書」P.40より抜粋
| (2)休日 (2)―1 定期的な休日の確保 現行制度では、法定休日として、労働者に毎週少なくとも1回の休日を付与することを原則としつつ(労働基準法第 35 条第1項)、4週間を通じ4日以上の休日を与える変形休日制(4週4休制)を可能としている(同条第2項)。 (中略) 割増賃金を支払えば、協定の範囲内で理論上無制限に連続勤務させることが可能である。労使協定を経るとはいえ、このような連続勤務は健康上望ましくなく、時間外労働の上限と同様、休日労働にも一定の制限をかけるべきではないかと考えられる。 これらの点を総合的に考慮すると、36 協定に休日労働の条項を設けた場合も含め、精神障害の労災認定基準も踏まえると、2週間以上の連続勤務を防ぐという観点から、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきであると考えられる。 |
報告書の中で、「13日を超える連続勤務を禁止する」という、これまでにない考え方が示されました。
これが改正されたならば、「4週4日」の特例が「2週2日」となり、連続勤務の上限が「13日」で14日以上の連続勤務ができないことになります。
そうなりますと、「月末にまとめて休ませる」というシフト調整が不可能になります。
特に、人手不足が深刻なサービス業等では、実務への影響が非常に大きい内容ですね。
でも、これを会社・お店を継続発展させていくためのきっかけとして、前向きに捉えてみると、大きなチャンスに繋がるかも知れませんね。
もしかしたら、今現在も、以下のようなリスクが潜んでいるのかも知れません。
・ 属人化による「身動きの取れなさ」
「あの人にしか分からない仕事」があるために、無理な時間外勤務・連続勤務が常態化しがちです。その一人が倒れた瞬間、事業そのものがストップするリスクを抱えています。
・ 若手・優秀な人材の離職
「休みが取れない」という事実は、現代の採用市場において最大のマイナス要因です。特に若手層は、給与額以上に「ワークライフバランス」を重視するため、採用コストが無駄になったり、人材の離職というリスクが高まります。
それでは、今の制度はどうなっているのか、何が変わろうとしているのか、会社はどう対応すべきかを、できるだけわかりやすく解説していきます。
1.現状:実は「連続勤務」は法律上、制限がない
現行のルール(労基法35条)
- 原則:毎週1回の休日
- 例外:4週間で4日休めばOK(4週4休制)
この「4週4休制」を使うと、極端な話、
- 最初の4週間で休日をまとめて取得
- その間、10日・12日・14日以上連続勤務が法律上は可能です。
さらに、変形休日制を悪用すれば、理論上48日連勤勤務すら可能だったのです。
2.なぜ問題視されているのか?
報告書では、次の点が指摘されています。
✓ 健康リスクが高すぎる
長期間の連続勤務は、メンタル不調過労・事故のリスクが高い。
▶ 精神障害の労災認定基準とも整合しない。
✓ 「残業」には上限があるのに、「休日出勤」にはない
- 時間外労働:上限規制あり
- 休日労働:実質、青天井
▶ バランスが取れていないという問題意識です。
3.改正のポイント:何が変わる可能性がある?
今回の報告書で示された方向性は、次の通りです。
✓ 新たなルール(案)
「13日を超える連続勤務をさせてはならない」
つまり、
- 14日連続勤務はNG
- どこかで必ず休日を入れる必要あり
という、明確な上限規制が法律に書かれる可能性があります。
✓ 36協定があってもダメ
重要なのはここです。
36協定を結んでいても、割増賃金を払っていても、14日以上の連続勤務は禁止になると考えられます。
4.改正による影響
①「繁忙期の連続出勤」ができなくなる
- 決算期
- 年末年始
- イベント対応
などで、「この期間だけは休みなし」という運用が難しくなります。
②シフト設計がより重要に
- 休日を「後でまとめて取る」
- 気づいたら2週間連続勤務
こうした組み方は要注意になります。
③違反リスクが分かりやすくなる
「何日連続で働いたか」は非常に分かりやすいため、
労基署の調査や労災発生時に、真っ先にチェックされる項目になります。
5.経営者が今からできる対策
✓ まずは現状チェック
- 繁忙期に「何日連続勤務」になっているか
- 4週4休制を使っていないか
✓ シフト作成時のルール化
- 最大でも12日連続まで
- 13日目までに必ず休日を入れる
社内ルールとして明文化すると安全です。
✓ 人員配置の考え方を見直す
- 繁忙期だけの短期雇用
- 他部署からの応援
- 外注・派遣の活用
「気合と残業」で乗り切る体制は、今後ますますリスクが高まります。
6.就業規則・36協定の見直しも視野に
法改正後は、
- 就業規則の休日規定
- 36協定の休日労働条項
- シフト管理方法
が、実態と合っているかの確認が必須になります。
まとめ
今回の改正の本質は、
「休日は、後でまとめて取ればいい」時代の終わりということです。
- 残業時間だけでなく
- 「何日連続で働いたか」も管理対象になる
という大きな転換点になります。
「うちは忙しい業種だから仕方ない」では済まされなくなるため、今のうちから運用を見直すことが最大のリスク対策です。
次回は
「労働基準関係法制研究会報告書」から考えられる7つの改正ポイント
【3】法定休日の特定について解説します。