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2026/3/3

法改正

勤務間インターバル / 労働基準法「40年ぶりの大改正」で変わる現場のルール4

前回に引き続き、「労働基準関係法制研究会報告書(以下、「報告書」)」から考えられる改正のポイントを解説していきますね。

第4回は、【4】勤務間インターバル について

4】勤務間インターバル

「報告書」P.42より抜粋

(3)勤務間インターバル
(中略)
このような現状を踏まえ、本研究会としては、抜本的な導入促進と、義務化を視野に入れつつ、
法規制の強化について検討する必要があると考える。企業に勤務間インターバル制度の導入を
求める場合に、具体的にどのような内容の制度を求めるかについては、例えば、

 ・ 勤務間インターバル時間として 11 時間を確保することを原則としつつ
制度の適用除外とする職種等の設定や、実際に11時間の勤務間インターバル時間が
確保できなかった場合の代替措置等について、多くの企業が導入できるよう、
より柔軟な対応を法令や各企業の労使で合意して決めるという考え方
・ 勤務間インターバル時間は11時間よりも短い時間としつつ、
柔軟な対応についてはより絞ったものとする考え方
・ 規制の適用に経過措置を設け、全面的な施行までに一定の期間を設ける考え方

等が考えられる。いずれにしても、多くの企業が導入しやすい形で制度を開始するなど、
段階的に実効性を高めていく形が望ましいと考えられる。
また、義務化の度合いについても、労働基準法による強行的な義務とするという考え方、
労働時間等設定改善法等において勤務間インターバル制度を設けることを義務付ける規定や、
勤務間インターバルが確保できるよう事業主に配慮を求める規定を設けるという考え方、
これらと併せて労働基準法において勤務間インターバル制度を就業規則の記載事項として
位置付け行政指導等の手法により普及促進を図るという考え方、現行の抽象的な努力義務規定を
具体化するという考え方等が示されており、様々な手段を考慮した検討が必要と考えられる。

について、今の制度はどうなっているのか、何が変わろうとしているのか、会社はどう対応すべきかを見ていきましょう。

1.勤務間インターバル制度とは?

勤務間インターバル制度とは、
「1日の仕事が終わってから、次の仕事を始めるまでに、一定時間の休息を確保する仕組み」です。

現在想定されている基準は、終業から次の始業まで11時間の休息

たとえば、夜23時に仕事が終わった場合
翌朝 10時までは業務開始不可というイメージです。

2.現上:今の法律ではどうなっている?

現行法では、労働時間等設定改善法により
勤務間インターバル制度の導入は「事業主の努力義務」 にとどまっています。

つまり

  • 導入しなくても違法ではない
  • 罰則もなし
  • 実際に導入している企業は一部

  というのが現状です。

3.【変化のポイント】何が変わろうとしている?

今回の報告書では、
「このまま努力義務では不十分」として、次の方向性が示されています。

ポイントは大きく3つです。

① 義務化を視野に入れている

・勤務間インターバル制度を法律上の義務とする方向で検討

・労基法での規制強化も選択肢

② 11時間を基本にしつつ、柔軟な運用も検討

・例えば、原則:11時間確保

・ただし一部職種の適用除外、やむを得ず11時間取れなかった場合の代替措置などを、法令や労使協定で柔軟に決められる仕組みも検討されています。

③ いきなり全面義務化ではない可能性

  • 経過措置を設ける
  • 段階的に導入する
    といった案も示されており、中小企業への配慮も意識されています。

4.【変わるとどうなる?】経営への影響は?

勤務間インターバルが義務化されると、次のような変化が想定されます。

✔ 長時間労働の「組み方」が変わる

  • 夜遅くまで働いた翌日に、朝から働かせることが難しくなる
  • シフト・業務配分の見直しが必要

✔ 「残業前提」の運営がリスクに

  • 繁忙期の連続残業
  • 管理職・専門職へのしわ寄せが、制度上問題になりやすくなる

✔ 就業規則・運用ルールの整備が必須に

  • 就業規則への記載
  • 例外対応のルール化
    など、形だけでなく運用面の整備が重要になります。

5.さいごに

勤務間インターバル制度は、「従業員のためだけの制度」ではありません。

  • 過労リスクの低減
  • メンタル不調・離職の防止
  • 企業の安全配慮義務リスクの軽減

といった意味で、経営リスク管理の一環でもあります。

義務化されてから慌てるのではなく、

  • 自社の働き方で11時間確保できるか
  • 確保できない場合、どう対応するか

を今のうちに整理しておくことが、これからの労務管理では大きな差になります。

従業員さんの採用・定着にも、良い影響を及ぼしていきます!

次回は「労働基準関係法制研究会報告書」から考えられる7つの改正ポイント

5】つながらない権利について解説します。